■肉親はどこで?消息の探し方
「父や兄はどこで、どのように亡くなったのでしょうか?」多くの御遺族がこうした疑問を持ちながら、戦後を生きてこられました。特に、戦没者の父母や妻から詳しく話しを聞く機会のなかった遺児や叔伯父を失われた親戚の方々からの問い合わせが当神社に多数寄せられています。
靖国神社や各県護国神社には祭神名簿が備えられており、御祭神名と戦没年月日、大まかな所属部隊等を知ることができます。もしお名前だけしか手がかりがない場合は、先ずは各県の高齢対策課(恩給、遺族援護を行っているセクション)や靖国神社、各護国神社に問い合わせてみると良いでしょう。
また、戦没地だけではなく、どのような部隊に所属し、どういった行程を辿られたか、より詳しい情報を知りたいという方々も多くいらっしゃいます。この場合、このようにしてみると良いかもしれません。
●1所属部隊を調べる(1)
御英霊が入っておられた部隊を、先ずは確認します。栃木県でよくあるのは「うちの親父は宇都宮の東部36部隊に入ってフィリピンで戦死したと聞いている」というような事例です。東部36部隊というのは、宇都宮における、いわば留守部隊であり、召集された兵隊はそこに入隊後、多くの場合、宇都宮や高崎、水戸などで新編成された部隊や、出征した部隊の補充兵に送られますから、「東部36部隊」がその御英霊の御所属となることはほとんどありません。そこから送られて入った部隊が所属部隊となります。
●2所属部隊を調べる(2)記録や手紙が残っている場合
では、どこの部隊に入隊したのでしょうか?ご家庭に戦地から送られてきた手紙や、戦死公報に所属部隊がきちんと記入されているのなら、問題はありません。しかし、そうした手紙や公報には、「基2802部隊○×隊」「豹12023」など、しばしば意味の取れない部隊名が書かれていることがあります。
これは各部隊の本名を敵に知られないために用いられた、いわゆる「秘匿名」というものです。戦時郵便の場合、これが将兵の宛先、つまり所属部隊となります。
例えば所属部隊が「基2802部隊○×隊」とあった場合、下記のようになります。
「基」→宇都宮編成の第51師団を指します。
2802部隊→第51師団所属の歩兵第66聯隊を指します。
○ ×隊→連隊の中の中隊を指します。
以上から、この方は第51師団の歩兵第66聯隊の○×中隊の御所属であるということが解ります。
秘匿名については、厚生労働省の援護部局、または各県の高齢対策課に照会すると良いでしょう。
●3足取りを調べるには
次に、戦没日を調べます。戦死公報などで戦没日が判明しているのなら問題はありませんが、もし、日時がわからないようでしたら、各県の高齢対策課か、靖国神社、または各護国神社に照会すれば、回答して頂けるはずです。
以上、所属部隊と戦没日が解ったのなら、その部隊に関する記録を探します。先ず、主な図書資料としては
A:その部隊の生還者が記した戦記
B:その部隊の戦友会の刊行物(部隊史、会報等)
C:防衛庁編纂の『戦史叢書』などの公刊戦史
などが挙げられます。これらの内、戦記類は書店や図書館で単行本から文庫本まで扱われていますが、部隊全体の動行を知るには、Bの、戦友会が刊行した部隊史が一番良いでしょう。こうした部隊史には、しばしば戦没者名簿もついています。B、Cの図書については、靖国神社内にある靖国偕行文庫か、防衛庁の防衛研究所の史料閲覧室に行けば、概ね必要な資料を見ることができるでしょう。
なお、こうした刊行物が見出せない部隊の動向に関しては、防衛研究所に問い合わせしてみると良いでしょう。
●4より詳しい情報を求めるには
御所属された部隊の部隊史や戦記があれば、肉親の部隊がどのような行動をとり、いかなる状況にあったのかがわかる筈です。しかし、御英霊の戦地での生活や、戦没状況、さらには埋葬地など、より詳しい情報をお求めの場合は、その部隊の戦友会を探すと良いでしょう。
現在、戦友会は会員の高齢化もあり、年々減少してきていますが、まだ多くの団体が靖国神社や各護国神社で慰霊祭を行うなどの活動をしています。そうした、現在活動している団体、さらには既に解散した団体の代表者の連絡先については、靖国神社や各護国神社にお問い合わせください。
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■関連連絡先一覧
●厚生労働省社会・援護局
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2
電話:03-5253-1111(代表)
ウェブサイト
●栃木県保健福祉部高齢対策課
〒320-8501 栃木県宇都宮市塙田1-1-20
電話:028-623-3054・3055
FAX:028-623-3058
E-mail:kaigo@pref.tochigi.lg.jp
ウェブサイト
●千葉県健康福祉部健康福祉指導課
〒260-8667 千葉県千葉市中央区市場町1-1 本庁舎13階
電話:043-223-2318
FAX:043-222-6294
ウェブサイト
●靖国神社
〒102-8246 東京都千代田区九段北3-1-1
電話:03‐3261-8326
FAX:03‐3261-0081
ウェブサイト
●栃木県護国神社
〒320-0063 栃木県宇都宮市陽西町1−37
電話:028-622-3180
FAX:028-622-3960
ウェブサイト
●千葉県護国神社
〒260-0013 千葉県千葉市中央区弁天3丁目16番1号
電話:043-251-0486
ウェブサイト
●靖国偕行文庫
〒102-8246 東京都千代田区九段北3-1-1
電話:03‐3261-8326
FAX:03‐3261-0081
ウェブサイト
●防衛庁防衛研究所
〒153-8648 東京都目黒区中目黒2-2-1
電話: 03-3713-2469
FAX: 03-3713-1760
E-Mail: genaff@nids.go.jp
ウェブサイト
●宗教情報リサーチセンター
〒166-0012 東京都杉並区和田1-17-4 大容荘5F 502号
電話:03-6304-8910
FAX:03-6304-8911
ウェブサイト
1984年から現在にかけて、日本で発行されている新聞(全国紙・地方紙)や雑誌の宗教関連記事の公開とデータベース検索ができます。国内外における慰霊祭や慰霊巡拝、遺骨収集など、戦没者慰霊関係の記事も収蔵されていますので、一般的な情報収集に利用できます。利用は会員制となっていますが、利用当日だけ会員となる「1日会員」の制度もあります。
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「父や兄はどこで、どのように亡くなったのでしょうか?」多くの御遺族がこうした疑問を持ちながら、戦後を生きてこられました。特に、戦没者の父母や妻から詳しく話しを聞く機会のなかった遺児や叔伯父を失われた親戚の方々からの問い合わせが当神社に多数寄せられています。
靖国神社や各県護国神社には祭神名簿が備えられており、御祭神名と戦没年月日、大まかな所属部隊等を知ることができます。もしお名前だけしか手がかりがない場合は、先ずは各県の高齢対策課(恩給、遺族援護を行っているセクション)や靖国神社、各護国神社に問い合わせてみると良いでしょう。
また、戦没地だけではなく、どのような部隊に所属し、どういった行程を辿られたか、より詳しい情報を知りたいという方々も多くいらっしゃいます。この場合、このようにしてみると良いかもしれません。
●1所属部隊を調べる(1)
御英霊が入っておられた部隊を、先ずは確認します。栃木県でよくあるのは「うちの親父は宇都宮の東部36部隊に入ってフィリピンで戦死したと聞いている」というような事例です。東部36部隊というのは、宇都宮における、いわば留守部隊であり、召集された兵隊はそこに入隊後、多くの場合、宇都宮や高崎、水戸などで新編成された部隊や、出征した部隊の補充兵に送られますから、「東部36部隊」がその御英霊の御所属となることはほとんどありません。そこから送られて入った部隊が所属部隊となります。
●2所属部隊を調べる(2)記録や手紙が残っている場合
では、どこの部隊に入隊したのでしょうか?ご家庭に戦地から送られてきた手紙や、戦死公報に所属部隊がきちんと記入されているのなら、問題はありません。しかし、そうした手紙や公報には、「基2802部隊○×隊」「豹12023」など、しばしば意味の取れない部隊名が書かれていることがあります。
これは各部隊の本名を敵に知られないために用いられた、いわゆる「秘匿名」というものです。戦時郵便の場合、これが将兵の宛先、つまり所属部隊となります。
例えば所属部隊が「基2802部隊○×隊」とあった場合、下記のようになります。
「基」→宇都宮編成の第51師団を指します。
2802部隊→第51師団所属の歩兵第66聯隊を指します。
○ ×隊→連隊の中の中隊を指します。
以上から、この方は第51師団の歩兵第66聯隊の○×中隊の御所属であるということが解ります。
秘匿名については、厚生労働省の援護部局、または各県の高齢対策課に照会すると良いでしょう。
●3足取りを調べるには
次に、戦没日を調べます。戦死公報などで戦没日が判明しているのなら問題はありませんが、もし、日時がわからないようでしたら、各県の高齢対策課か、靖国神社、または各護国神社に照会すれば、回答して頂けるはずです。
以上、所属部隊と戦没日が解ったのなら、その部隊に関する記録を探します。先ず、主な図書資料としては
A:その部隊の生還者が記した戦記
B:その部隊の戦友会の刊行物(部隊史、会報等)
C:防衛庁編纂の『戦史叢書』などの公刊戦史
などが挙げられます。これらの内、戦記類は書店や図書館で単行本から文庫本まで扱われていますが、部隊全体の動行を知るには、Bの、戦友会が刊行した部隊史が一番良いでしょう。こうした部隊史には、しばしば戦没者名簿もついています。B、Cの図書については、靖国神社内にある靖国偕行文庫か、防衛庁の防衛研究所の史料閲覧室に行けば、概ね必要な資料を見ることができるでしょう。
なお、こうした刊行物が見出せない部隊の動向に関しては、防衛研究所に問い合わせしてみると良いでしょう。
●4より詳しい情報を求めるには
御所属された部隊の部隊史や戦記があれば、肉親の部隊がどのような行動をとり、いかなる状況にあったのかがわかる筈です。しかし、御英霊の戦地での生活や、戦没状況、さらには埋葬地など、より詳しい情報をお求めの場合は、その部隊の戦友会を探すと良いでしょう。
現在、戦友会は会員の高齢化もあり、年々減少してきていますが、まだ多くの団体が靖国神社や各護国神社で慰霊祭を行うなどの活動をしています。そうした、現在活動している団体、さらには既に解散した団体の代表者の連絡先については、靖国神社や各護国神社にお問い合わせください。
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■関連連絡先一覧
●厚生労働省社会・援護局
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2
電話:03-5253-1111(代表)
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●栃木県保健福祉部高齢対策課
〒320-8501 栃木県宇都宮市塙田1-1-20
電話:028-623-3054・3055
FAX:028-623-3058
E-mail:kaigo@pref.tochigi.lg.jp
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●千葉県健康福祉部健康福祉指導課
〒260-8667 千葉県千葉市中央区市場町1-1 本庁舎13階
電話:043-223-2318
FAX:043-222-6294
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●靖国神社
〒102-8246 東京都千代田区九段北3-1-1
電話:03‐3261-8326
FAX:03‐3261-0081
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●栃木県護国神社
〒320-0063 栃木県宇都宮市陽西町1−37
電話:028-622-3180
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●千葉県護国神社
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●靖国偕行文庫
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●防衛庁防衛研究所
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電話: 03-3713-2469
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●宗教情報リサーチセンター
〒166-0012 東京都杉並区和田1-17-4 大容荘5F 502号
電話:03-6304-8910
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1984年から現在にかけて、日本で発行されている新聞(全国紙・地方紙)や雑誌の宗教関連記事の公開とデータベース検索ができます。国内外における慰霊祭や慰霊巡拝、遺骨収集など、戦没者慰霊関係の記事も収蔵されていますので、一般的な情報収集に利用できます。利用は会員制となっていますが、利用当日だけ会員となる「1日会員」の制度もあります。
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